お陰さまで
初夢は大好きな祖父の夢でした。
祖父と最後にあった日の話は、ライブで何度も話しているのでご存知の方も多いと思います。歌にもなっているし、発表していない小説にもなっています。
どんな時も笑っている祖父、強く優しい祖父に、大晦日の日、歌を続けていることを反対されました。
大切な人に大切なことを反対される衝撃…
驚きで、すぐに言葉がでませんでした。
そして年が明けた2日、実家から福岡に帰る前に、私は自分の作った歌を初めて祖父に聴いてもらいました。
頑張ってること、どれだけ大事なことかを話して…
祖父は涙ぐんで
「良かった。頑張れ。」と言ってくれました。
その後、手を握り合った話もライブでよく言うことですね。
夢の中で祖父はいつもの笑顔で言いました。
「あっこ、頑張ってるか?」
私もにっこり答えました。
「お陰さまで…」
ただ趣味だった歌、それで生活をすると決めた数年前。
「頑張ってますか?」「調子良い?」「最近どう?」
なんて言われた時に
「上々です!!」って答えようと思っていたことがあります。
良い言葉を口にして、その通りになったら良いなと思っていたからです。
けど、やっぱりすごく大変だったので、それは真実ではありません。
いつの間にか言えなくなって
「頑張ってます。」とか「はい」とか答えるようになっていました。
そして…そうですね、いつからだろう。
‘歌っている’ が ‘歌わせて頂いてる’ と変わってきました。
今の私には、この答えがぴったりなのでしょう。
お陰さまで…
貫く強さと揺るぎない凛々しさと、相対するようできっと解け合うように謙虚さと感謝を…
たった一人で始めたことが、今では一人ではない。
そんな風に私の歌はまた変わって行くような気がするのです。
自然、どうぶつ、風、光のように…そっといのちに寄り添う歌でありたい。