染矢敦子ブログ Tender wind

〜やさしい風が吹いてきた〜

ビデオクリップ制作秘話(2)

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そして、ぼちぼちと制作。

…が作ってる途中

カタカタと恐ろしい音がして…パソコン固まりまして。
そのまま、立ち上がらず。
なんと、ハードディスクが壊れちゃったんです~
データなくなっちゃいました。
写真を再送してもらったみなさん、ご迷惑おかけしました。
mac師匠いつもすみません。

ショックだったけど、心は案外、平穏でした。

 *

数日後の朝。
ピンポン
お隣さんです。

「ひーくんが死んだと。昨日の夜」
ブログにも何度か書いたお隣さん家の‘ひーくん’
病気だったんです。
うちのベランダに、溝をくぐって何度か来たことがあります。
「うぉおお~~」恐がりさんでよく吠えていました。
ひーくんの為に、ご自身のマンションを人に貸して、この賃貸のペットマンションに引っ越して来られて、本当に本当に可愛がっていました。

「心配かけるから、みんなに言わないけど、あなたにはと思って。お別れしてあげてくれる?」
体がなくなる前に会わせてもらいました。
体をなでながら、涙が止まらなくて、後悔が押し寄せてきます。
公園で今度、写真撮ろうと話していて、そのままだったんです。

旦那さんが
「お世話になりました。写真があって良かった」
私が撮ったひーくんの写真を持って来て
「この写真が一番良い。」
大きく引きのばしたものを指差します。

なんてこと。。。
写真はパソコンのデータの中。消えてしまったんです。
残ってるのは、ブログにアップした写真だけです。

「ひーくん、ごめん。ひーくん、ありがとう。ありがとう。」

 *

次の日、戻ってきたパソコン。
「虹の橋」の入っているCD「あなたがくれたもの」
ブログから、ひーくんの写真を持ってきて
その写真たちを全部、歌詞カードに載せて
世界に一個だけのCDを作りました。
ジャケットは、旦那さんが一番好きな上をみあげているこの写真。

「寂しいね。食べれなくて。。。」とベランダ越しにお話をしました。
いつも、私が辛いとき、なぜかちょうどのタイミングでおいしい物を持ってきてくれるお隣さん。
こんな時は私が。。。
混ぜご飯のおにぎりを作って、CDと一緒に持って行きました。

もしかしたら、全然検討違いかもしれない。
けど、これしかできなくて。。。

「ありがとう。ひーくん、小さくなって戻ってきた。骨、全部持ってきたとよ。CD、遺影にするね。写真があって良かった。ありがとう」って。

愛する人を突然なくした経験のある私なのに
できる時にできることを、精一杯、今を大切にすると決めたのに。。。
もっと写真撮れば良かった。。。
データ、もっとまめにバックアップとってれば良かった。。。

どうぶつたち、私がカメラを向けたら良いお顔をしてくれるんです。
飼い主さんたち、いつもすごく喜んでくれるんです。

友人に聞きました。
震災で避難してる方々が、家に戻った時に一番持って来たいと思うのは、アルバムだって。。。

すごくすごく大切なことを私はさせて頂いてるんですね。
もっともっと、どうぶつたちの写真を撮っていこう。
もっと大事に、出会いを、今を大事にしよう。

 

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8年間、壁ひとつ隔てて、そこにいた。
かわいい、ひーくん。最後まで頑張ったひーくん。

「うぉおおお~」ベランダ越し、声が聞こえるきがするよ。
ひーくん、大好きだよ。ありがとう。また会おうね。

                 つづく

 

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