染矢敦子ブログ Tender wind

〜やさしい風が吹いてきた〜

2011年を振り返って(1)〜生まれてきて良かった〜

f:id:chumpeace:20190502231830j:plain

 

写真のチェックをしていたら…
ライブ会場のお客様の写真を見つけた。
良い笑顔でステージを見てる。
もう会えないはずの、その笑顔に会えて、胸がぐっと痛みながら
でも少しだけ私は微笑んでいた。

こんな良い顔で歌を聴いてくれてたんだ…


今年中に、彼女のことは、ここに書きたいと思っていた。
今がタイミングなんだろう。

彼女のお母さんと妹さんは、何度もライブに来てくれた。
個人的にお会いしたこともある。
辛い過去や、悩みをお話してくれたりもした。

彼女だけは、その日が初めてのライブ。
7月6日、私が今年、唯一主催をし「ここから、またスタート」
そんな大事なコンサートだった。

ライブ後も控えめに、少し離れた場所でただ笑ってくれた彼女。

どうして、あの時、話かけなかったんだろう。
あの姿を今でも覚えているよ。

ポストカードを気に入って買ってくれたこと
パソコンに「いいよいいよ」のCDを取り込んで毎日のように聴いてくれてたこと
お母さんの日記で、家族三人でご自宅ランチ、音楽は染矢敦子。
カフェにみたいと嬉しい記事を読んだりもした。

いろんなことを乗り越え、葛藤や悩みながら、必死に生きている3人を
私は歌うことで関わっていけたら、少しでも励ませたらと思っていた。

一ヶ月後の朝。
彼女のお母さんの親友から届いたメール。
「敦子さんには知らせようと思って…敦子さんのポストカードに最後の言葉を書いてたから」

何で?嘘でしょ。なんで、なんでなの。

すんなり受け入れきれなくて、ただただ涙が止まらなかった。
二十歳をちょっとすぎたばかり。まだ…まだ…早すぎるよ。
彼女が選んだポストカードは「生まれてきて、良かった」

昨年、どん底を見て、絶望の中、このままじゃ私、死んでしまうと思った時
私の中から強烈にわきあがって来た「生きたい」という気持ち。
その経験から、描いた絵と言葉。
彼女は、そのポストカードを最後に選んだ。

生きたかったんだよね。本当は生きていきたかったんだよね。

何の因果なのか、その日は彼女のお母さんと妹さんが、私のコンサートに初めて来てくれた場所で、私は友人と会うことになっていた。
友人は、別の誰かの言葉を鵜呑みにして、私のある行動を責めた。
そこには、嘘も、敢えて語られない真実もあり、私は完全に悪者になっていた。

でも、もうそんなの、どうでも良かった。
誤解するならしてくれ。嫌われてもいい。悪者にされてもいい。
説明する気にもならなかった。

誠実に生きていれば、見る人は見てくれている。

一つの命が失われたその日、
自分を守る為に他者を蹴落とすエゴ、責任転嫁
誰かの言葉や怒りに振り回されることの空しさを遠くに感じていた。

生きるってそんなことじゃないよ。

「あっちゃんの歌にもう共感しない」
その一言が私にはトドメになった。
あっ…友達じゃなかったんだ。また一つの終わり。
今まで、ありがとう。

その後、遠くからすぐに駆けつけた彼女のお母さんの親友と一緒にお通夜に行った。

私には、同じように愛する人を失った経験がある。
そこが、私がいのちを歌う原点なんだと思う。
そして、もうずっと前だけど自らも命を絶とうとしたことが何度もある。
お通夜に行って、その自分の行為を後悔仕切れないほど後悔した。

残された人たちのあまりにも悲しすぎる姿がまた痛くて痛くて仕方なかった。

 *

そんな日でも救いは訪れる。
昨年、栃木でコンサートを開いてくれた女性から、宅急便が届いた。
そこに入っていたもの。開いて、また号泣してしまった。
なんてタイミングで届くのだろう。

 

f:id:chumpeace:20190502231838j:plain


そして、郵便が届いた。
昨年11歳で亡くなった男の子の書いた「夢」という文字。
その子が亡くなった日に作った歌をお母様に送った、そのお礼のお手紙だった。

それからまたライブを企画してくれることになる女の子からのメール
「そろそろ、敦子さんの歌を聴かなければなりません」

応援団長からも、このタイミングでメッセージが届いていた。
「いつも歌やメッセージでチカラや感動を与えて貰ってます。
これからも多くの人たちにやさしい風吹かせてくださいね。応援しています。」

喜怒哀楽、あまりにも激しい一日。
あっ、楽しいはなかったかな。

頭がガンガン痛くなるほど泣いた。
このまま私おかしくなるんじゃないの…止めどない苦痛だった。

だけど
「それでも、あなたは歌いなさい」
何かにそう言われている気がしていた。

 *

同じ時に描いた6枚の絵の原画は、すべて誰かの元に行っていた。
でも、彼女の選んだ絵だけは、行き場がなく私の元にいた。
数日後、私はそれを持って、お線香を上げに…というか彼女のお母さんが心配でご自宅に伺った。

彼女の最後のメッセージも読ませてもらった。

救えなかった…苦しくて苦しくて、もう私はどうしていいのか分からなかった。

その気持ちを察してだろう。
彼女の最後のメッセージを手に、私の目をまっすぐに見て言ってくれた。
「敦子さん、お願いがあります。
これからも、いのちの歌を歌っていって下さい。
救えなかったなんて思わないでください。
私たち家族は敦子さんの歌に救われています」

なんて方なんだろう。
なぜ、こんなに温かく優しい方がこんな思いをしないといけないんだろう。

私の顔なんて見たくないんじゃなかな、もう私の歌なんて聴きたくないんじゃないかな
そんなことを思っていた。
でも、残されて苦しんでる娘の友達にと、その後、何枚も染矢敦子のCDを送ってくれ
月命日にも歌を歌わせて頂いた。

そして…彼女がライブに来てくれた日のブログを読ませて頂いた。

***

まぁああぢね?!
もうやばすぎる(TωT)!!!!
初めて行ったんだけど
ほんともぅ出てきた瞬間から
すごい感じるもんが大きくて
しょっぱなから号泣!
なんで??
あんなに泣けないあたしが
泣けたんやろぉ??
不思議と吸い込まれていく感じで
音と言葉と思いと全部全部が
染みてきてやばいんよ( ; _ ; )/~~~
会場に来てたひと
みんな泣いてたよ(*^^*)
すごく心が
広くて
温かくて
優しくて
綺麗で
その人は歌をお仕事にするまで
すごい色んな苦しいことがあって
それを乗り越えてこられたと
話してたんやけど、
昔は自分を許せなくて
攻めてばっかりで
ずっと自信が持てなかったん
だって。・゜・(ノД`)・゜・。
そんな色んな経験があるからこそ
人の心を動かす素敵な歌を
歌い続けられているんだろうな*
生きることの幸せ。
命の大切さ。
今を感じること。
自分を信じること。
強く思い続けること。
自分を責めないこと。
受け入れること。
必ず叶うこと。
許してあげること。
笑顔が幸せを呼ぶこと。
幸せになっていいんだよ。
って言葉にまぢ号泣~!!!
(TωT)ボロボロ~
沢山の事を教えて
頂きました(/ _ ; )!!

ほんとみんなに聴いてほしい!!
あたしの本当の思いにも
気付かされました(*^^*)
素直に生きなきゃ(=^x^=)
ほんと昨日は
でっかかったなあ
ヾ(@⌒ー⌒@)ノ


**

届いていたんだよね。
私は約束するよ。
歌い続ける。

あまりにも悲しい別れだったけど、あなたが私にくれたものは大きい。
あなたの大好きなお母さんにもらったものも大きい。

ありがとう。

もしも天国があって、いつかあなたにまた会えたら、私は笑って、ありがとうを伝えたい。
あなたと出会ったからって胸を張って言えるように、私はこれからも、いのちを歌い続けていくらからね。