染矢敦子ブログ Tender wind

〜やさしい風が吹いてきた〜

終戦記念日に歌を…

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いつかの空
父と母と行った大分の‘空の公園’





終戦記念日
そして祖母の命日でもある今日
この歌をアップしようと思います。


私が戦争の恐ろしさを知ったのは、祖父の話からでした。

そんな祖父と最後に会った日
私は最初で最後、自分の作った歌を聴いてもらいました。

「良かった。頑張れ」と涙ぐんでくれた祖父

私はその時どうしても祖父に触りたくて
でも子供のようにそれを口にすることができずに
「じいちゃん、あっこの手は冷たいよ」
と手を差し出しました。

祖父はすっと私の手を取ってくれました。


帰り際、背を向けた私の名前を呼んだ祖父。
振り向くと、病気で痩せてはいたけれど
祖父はいつものようにすっと背筋を伸ばして立っていました。

「元気でやれよ」

私にむけてくれた、それが最後の言葉になりました。

私が祖父に会った最後のその日のこと
そして、私の決意の歌でもあります。





歌の中に出てくる、大きく曲がった背骨というのは
ガンが破裂し背骨が曲がってしまったということを表しています。


痛み止めも効かないその状態で
祖父の人生最後の言葉は
娘である私の母へ言った一言でした。

「お母さんを頼んだぞ」

それは、妻である私の祖母への愛の言葉。


祖父の愛した祖母は一昨年の今日、終戦記念日に亡くなりました。

なんでも知ってた「うたびと」
いなくなって知った、どれだけその存在に支えられていたかと…


戦争の怖さを、平和や命の大切さ、愛することを
生き方や言葉で教え続けた二人は
死してもなお、私に大切なことを教え続けてくれます。


二人がいつも笑って迎えてくれたあの場所に心が飛んでいきます。
「良かったな。幸せになれよ。」
ときっと今の私に祖父は声をかけてくれるだろう。

祖母は歌を詠んでくれるだろう。

そんなことを想像して温かい気持ちになるのです。






『受け継ぐもの、つなぐもの』

あれが最後の日
「冷たいな」って
記憶の中では 
たった一度きりの
手を握り合う
意外にきれいな貴方の手

戦い続けた 
最後の瞬間まで
妻の身を案じ 
妻の手を握り

貴方の顔が浮かんでくる
笑ってる 
笑ってる 
ずっと 笑ってる
大きく曲がった背骨は
苦痛と強さの証


あの日どうしても聴いてほしくて
はじめて貴方の前で私の歌 歌った
私をじっと見る小さく優しい目が潤んでた 

貴方がいるだけで触れなくても暖かかった
揺るぎない安心感に守られていた

貴方の声が繰り返す「元気でやれよ」最後の言葉 
ウエディングドレス見せられなくてごめん
新しい命も…

貴方の血が流れてる 
私の中にもずっとずっと流れてる
誇り高き私の血に恥じないように生きたい

私に何ができるだろう
つないで行こう 貴方から受け継いだもの 
そして私が得たものをつないで行こう
笑顔をつなごう
愛と平和を…
命をつなごう