染矢敦子ブログ Tender wind

〜やさしい風が吹いてきた〜

祖母の短歌(3)

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実家に帰った時に、祖母の短歌をまだ三分の一ぐらいですが持ってきました

 

読みながら、時間を見つけて整理をしています

 

母のお兄さんは

「いらんけん、ぜんぶ持っていって」

と、笑いながらですが言ったり

 

祖母は1冊、自費出版で短歌の本を出したのですが

「お金ばっかりかかって」

「2冊目を出したがってたけど止めさせたもんなあ」

そんな風に言い、それに母も同調していました

 

でもそうだろうなあ

おじさんや母が非情なんじゃない

何かを作る人にしかわからないかもしれない

私はばあちゃんの気持ち、よく分る

自分の作品を形に残したいんだよね

 

「短歌は、敦子が全部もらってくれるから安心。 歌は、敦子にしか分からん。」

って生前、祖母が言っていたそうですが

あ~本当そうなんだろうなと

2人の会話を聞いて思いました

 

今、祖母の短歌を読みながら

「いいな~」って少し羨ましい気持ちが沸き上がっています

孫である私の歌より

娘と息子(母やおじさん達)の歌が圧倒的に多いからです

 

 

満開の桜の下に

娘の持ちしお昼の弁当

手作りの寿司

 

母の日に転ばぬ先にと長の子が  

買いてくれたる一本の杖

 

我儘は言ふまい  

三人の子に守られ

米寿祝う今日ありがたし

 

厨房に入るなと育てし息子の作る飯  

食べ生きる九十歳吾

 

娘の来たり雑草取りてくれし庭  

灯るごと石蕗の花

 

 

全く…あの人たちは… って、

祖母の短歌を読みながら 一人で苦笑いをしています

 

子供って、そんなものかもしれないですね

 

少し距離のある孫だから見えることもある

いくら形見に大切な短歌をもらうと言っても

定期的にハガキを書いたり、電話をしても

祖母の気持ち、私にしか分らないことがあっても

やっぱり共に過ごす時間の長さには敵わない

 

母やおじさんには敵わない

 

それが少し寂しくて、でもとても温かい

 

短歌を読んでる間中

『日々を大切に生きなさい』

そんな祖母の声が私の中で繰り返し、聞こえてきています

 

もっと実家に帰ろう

父と母と過ごす時間を作ろう

そう思います

 

私の感性は、祖父と祖母から受け継がれている

 

今回の帰省で見つけた祖父の作った歌

老人会の歌なのですが

作詩、作曲の所に祖父の名前がありました

 

嬉しくて、嬉しくて、嬉しくて…

詩吟や剣舞、アコーディオンの演奏だけじゃなく

曲も作っていたんですね

大好きな祖父と祖母がまた近くなりました

 

もっともっと、いっぱい話をしたかったな

心の中で最近はたくさん会話をしています