染矢敦子ブログ Tender wind

〜やさしい風が吹いてきた〜

祖母の短歌(4)

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ゆうらりと風に押されてゆれて咲く

娘の植えくれし向日葵の花

 

 

今日は祖母の命日

日本中が平和を願う日

平和を願い続け、語ってくれた祖父の妻

祖母らしい日を選んだ、そんな風に思う

 

 

軍人を職業とする夫に嫁ぎ

戦をただに吾れの憎みき

 

窓を明け家内の灯りをみな灯し

背を伸ばしたり終戦の夜

 

おほかたの衣類は米に交換し

食ふに失せたり敗戦の日日

 

一枚だけ残しておきし花嫁衣装

質種とせり吾が若き日に

 

成りし家の二階の窓に

夫と立つ吾が来しかたの思ひこもごも

 

終戦後共に生きこし裁縫机

生活のあとを残すへらの痕

 

祖母の背に聞きて眠りし子守唄

孫を背にしてわれ歌うなり

 

 

いつでもわかってくれた人

うたびとの目で見ていた人

 

母と大げんかして家を飛び出した日

言ってくれた言葉を思い出します

 

先日の私の誕生日

このブログ内

祖父と祖母、母や父のことが書いてあるページを

プリントして母に送りました

 

母に、祖母の短歌を読んでほしい気持ちもとても強くあって…

 

「今日は私の誕生日。生んでくれて、ありがとう。育ててくれて、ありがとう」

 

と手紙も書いていれました

切手を貼って出した後

そのことをまだ知らない母からメールが届きました

 

「今日まで元気でいてくれて、ありがとう  ありがとう~誕生日♪おめでとう~♪」

 

そんなこと言われたのは初めてでした

 

「ありがとう」

 

同じ気持ち、優しい気持ち

足りない私と思ってきました

母を幸せにできない私を責めてきました

私がここに生きてること、母はいつも肯定してくれている

それを言葉で伝えてくれた

 

その時… きっとずっとほしかった言葉

涙が出ました

 

私が良いと思ってすることで

母を喜ばせることはなかなかできないと思っていました

いつも空回り

 

でもそのブログを母はとても喜んでくれました

 

結構、大量にあったのですが

「読み出したら止まらなくて、一気に読んだよ」

って言ってくれました

嬉しかった、本当に嬉しい

 

そして気づくんです

 

母を喜ばせられなかった、

そう思っていたことも勘違いだったってこと

 

小さい頃、母が大好きで心配で

いつも母に書いていた小さな紙切れの手紙

母は今も時々読んでいるそうです

 

「あれなかったら頑張れなかった」

そう言ってくれました

 

私のある部分、人に自慢はしなかったけど

お母さんにとって自慢で、それが支えだったよ

そんな風にも言ってくれました

 

思い合っている、支え合っている母と娘

 

思い出します

母と大げんかして家を飛び出した日の祖母の言葉

祖母が言ってくれた言葉はいつも

見過ごしてしまいそうな、大切な真実でした

 

子を思ふ吾の涙はわがために

母の流せし涙と今知る