染矢敦子ブログ Tender wind

〜やさしい風が吹いてきた〜

こじろうくん

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染矢敦子、WAN ONE LIVEを始めて、11月で4年になります。
WAN ONE LIVEの目的の一つに、捨てられ処分される犬を減らしたい、本当はそんなことのない世の中になってほしいと言う思いがあります。

WAN ONE LIVE HP

私には、伝えることしか出来ません。
それを責められることもあるけれど、それぞれの役目があると信じて、歌い、話をしています。

春だったかな…。
ずっと、いつかと思っていた自分の想いをナナさんに話しました。

それは、捨てられ保護された犬が、もう一度家族となるまでの写真を撮りたいと言うことでした。
その表情の変化を写真で伝えたいと思いました。

WAN ONE LIVEの時や、直前には、犬たちからのメッセージのような不思議なことがよく起こります。
また、23日のライブ前、それはやってきました。

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管理センターに保護された犬は、こじろうくんと名付けられました。
彼は、幸運にも請け出しが出来ると判断され、センターの方々のしつけと愛情を受けていました。
普通はここで一般の飼い主さんの元へ行くのですが、こじろう君にはもう少し解決しないといけない行動があり、イヌ・タオ・ネットのシェルターに行くことになりました。

その請け出しの日、ナナさんに声をかけて頂いて、私もこじろう君に会い行くことになったのです。

まだ、2歳の男の子。拍子抜けな程、良い顔をしてくれます。最初、下がっていたシッポもだんだん上がってきます。
でも、心には大きな傷があります。
こじろうくんの元の名前は分かりませんが、彼も誰かに捨てられた犬です。

動物管理センターには、職員の方が犬を保護する場合もありますが、飼い主さんが犬を連れてくる場合も多いそうです。
飼い主さんのが連れて来た犬は、請け出しの対象にはなりません。それを、職員の方が説明をします。だから、飼い主さんは知っています。ここに連れて来ると言うことは、ガスで殺されてしまうと言うことを…。

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お世話をしている職員の方がやって来た時のこじろう君の反応と、その方の表情がとても印象的でした。
「良かったな。」
その言葉が耳に残っています。

もう一人のお世話をしていた方も、こじろう君を乗せた車を見送りながら、
「良かったと言う気持ちと、少し寂しさもありますね。」
とおっしゃっていました。

処分と言う事実が重過ぎて、職員の方を責める声も聞かれます。
でも、みなさん心を痛めていて、一匹でも多くの動物がまた幸せになるのを願っています。

4年前、初めて管理センターを訪れた時にお話してくれたOさんが言っていました。
「本当は、こんな施設なんか無い方がいいんです。」
ガス室へ犬を追い込む為のいくつものスイッチの前で、その言葉を聞きました。

目の前に処分を待っている、たった一つの命さえ救えない自分を責め、歌で伝えることを諦めようとした時、励ましてくれたのもOさんでした。
「捨てる人がいなくならないと、現実は変わらないんです。あなたは歌で伝えて下さい。宜しくお願いします。」

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これから、時々シェルターに行って、こじろう君の変化を写真と文章で紹介していこうと思います。
次に会うのが楽しみです。
どこかの家庭で幸せになる日まで、一緒に見守ってもらえると嬉しいです。

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